“匠の技

 日本のものづくり技術は、世界的に「MADE IN JAPAN」として信頼され、高く評価されています。そしてそれを支えているのが匠の技です。どんなに工場の中の機械が進化し、便利な道具が作られても、それを使いこなせる人がいなければ、良い製品は生まれません。新幹線の先頭車両の先端部分は職人がハンマー1本でたたいて作っています。そしてその技術を活かして、その職人は金属製弦楽器(バイオリンやチェロ)を作ったそうです。技術は無限の可能性を秘め、私たちを未知の世界へ連れて行ってくれます。そんな匠の技を身につけることは、自分の世界を広げてくれる、とても楽しいことです。


“ものづくりは人づくり”

 ものづくりには、人が持つ技術を大切に育み、先輩から若者たちへ受け継ぐといった豊かな人間関係が必要不可欠です。企業には“ものづくりは人づくり”という哲学があります。「良いものを作るには良い人が求められる。そして人は誰もが大きな成長の可能性を持っており、何よりもまず良い人づくりを重点的に行わなければならない」という理念です。その理念はものづくりを支える本校の雰囲気にも通ずるものがあります。授業や実習中の真剣なまなざし、様々な学校行事でのはじける笑顔、部活動や課外活動での汗と涙、生徒全員が高校3年間で大きく成長し、社会に貢献する人材として巣立っています。


“仲間と一緒にものづくりって楽しい!

 本校は昭和37年の開校以来、ものづくり技術者育成を目指し、これまでに1万人を超える卒業生を輩出しました。そして先輩方は常に時代の要請や産業界のニーズに応えるものづくりのスペシャリストとして、県内外で各分野・各企業のリーダーとして活躍しています。その先輩たちから脈々と受け継がれる技術や知識、アイデアこそが本校の目に見えない宝物となっています。誰も取り組んでいないことを探究するための幅広い知識やアイデアは、最先端機器を用いた実習や実験を行うことを通して、ワクワク感の中で身につけていきます。そして常に周りには仲間がいます。仲間との協働的な学びを通して、将来の福井県を、日本を、世界を支える魅力的な人材に育ってくれることを願っています。

校長 玉井 淳